大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)360 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人鈴木周の上告理由第一点について。

原判示事実関係のもとに、本件農地につき上告人の代理人栗原猛と被上告人との

間で売買契約が締結された旨の原審の判断は、これに対応する挙示の証拠関係に照

らし首肯するに足りる。所論は、審理不尽、採証法則違背を主張するけれども、原

審が適法に行なつた証拠の取捨判断、事実認定を非難するに帰し、採用することが

できない。

同第二点について。

原判決が、原判示理由により被上告人の上告人に対する本件土地引渡の将来の給

付を求める法律上の利益があると判断した上、本件農地につき知事の所有権移転の

許可があることを条件として、上告人に対し、被上告人に対する右農地の引渡を命

じたことは、第一審判決が被上告人は本件農地を占有耕作するにつき何らの権限を

も有しないから、所有者である上告人に対しこれを返還する義務があるとしてその

返還を命じたことと何ら矛盾、牴触しない。所論は、独自の見解にもとづき原判決

を非難するものであつて、採用することができない。

同第三点について。

上告人は、原審において「原判決中控訴人敗訴の部分を取り消す。被控訴人の請

求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。被控訴人の附帯

控訴を棄却する。」旨の裁判を求めたものであつて、第一審判決の棄却した反訴請

求の一部である不当利得金返還請求については何ら言及していない。従つて、原審

が、上告人の不当利得金返還請求については、不服申立の範囲外であるとして判断

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を示さなかつたのは正当である。所論は、原判決を正解せず、独自の見解にもとづ

き原判決を非難するものであつて、採用することができない。

同第四点について。

原判決が、判示事実関係のもとに、被上告人の上告人に対する知事の許可を条件

とする本件農地の所有権移転登記手続並びに右農地の引渡請求を認容したのは、挙

示の証拠関係等に照らして首肯するに足りる。所論は、上告人が原審において主張・

立証せず、従つて原審の認定しない事実にもとづいて原判決を非難するものであつ

て、採用することができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 横 田 正 俊

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